護衛艦「たかなみ」体験航海 2006.06.03

2006.06.03 海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」の体験航海に
参加してきました。 晴海埠頭から出航して羽田沖で折り返す東京
湾一週、約2時間ほどのクルージングでした。 現時点で最新鋭の
護衛艦、そして、私の長男の職場でもある船です。 色々な面で
興味のある艦艇です。  どんよりとした曇り空でしたが、快適な
「豪華なお船でクルージング」を楽しんできました。


受付で荷物の検査をしてから桟橋へ。 艦尾の船名をバックに
一枚。  前回のヘリコプター体験搭乗の時にも感じましたが、
受付などで対応に当たっている自衛官の方々は皆さんとてもフレ
ンドリーで丁寧です。

映画「亡国のイージス」の先任伍長や寺尾聡の扮する艦長よりも
実物のクルー達の方が芸能人みたいです。

近くで見ると、とにかく「でかい」船です。 3回に分けて撮った画像
を繋ぎ合わせてこれです。 全長150メートル、全幅17メートルと
かなりスマートな船体に、にょきりとマストが突きだした今時のデザ
イン(だそうです)の船です。
左から、主砲の127ミリ砲、艦首VLS(ミサイルが縦に格納されて
います)、艦橋、第一エンジンブロック、第2エンジンブロック、格納庫
と積み木の様に配置されています。

何故か、ブロックとブロックの間は人が一人通れる程度の隙間が
あったりします。


艦橋は見学コースにもなっていて、走行中も立ち入る事が出来て、
操艦風景を見ることが出来ます。


桟橋から離れるには2隻のタグボートで押し出されます。


船を押し出した後のタグボートが全力で離れて行きました。

風は3〜5メートルほど吹いていましたが、この程度では船はまるで
揺れません。 船内に入っていると、走っていると言う感覚があり
ません。 ガスタービンエンジンの為か、船内には振動がほとんど無く
エンジン音も駆動音もかすかに聞こえる程度です。

船内はお世辞にも広いとは言えませんが、通路は大人がすれ違える
程度はありますし、屈んで通るような場所もありません。
さすがにラッタル(階段)は水密の関係で急角度で狭く、一歩一歩
手すりに掴まりながらの移動でした。

映画「亡国のイージス」の中では、艦内通路での戦闘などがありまし
たが、この艦内ではまず無理でしょう。 作品内では通路の幅が
2メートル以上あるように見えました。
真田広幸扮する先任伍長がラッタルを駆け下りるシーンがありました
が、私がやれば頭をぶつけるか足を踏み外すでしょうね。

こちらが主砲の127ミリ速射砲です。
毎分70発の砲弾を発射する事が出来るそうです。 砲塔のシル
エットは、足を付ければそのままスターウォーズに出せそうですね。


砲弾が撃ち出された後の薬莢は、この滑り台から排出されます。
薬莢自体、一つ20kgもあるそうで、訓練の時は、薬莢が甲板を
ゴロゴロと転げ回るのだそうです。

その時に傷ついた甲板の補修などは、新兵さんのお仕事。
ペイントしてから滑り止めの砂を捲き、さらにペイントで塗り固め
るのだそうです。

砲塔を回転させたり砲身を動かすデモンストレーションを行いました。
大きな砲塔ですが動きはスムーズで速く、180度回頭するのに2秒
は掛かりません。 砲身も船体の揺れに合わせて微妙に動きます。

発射の感じは映画「亡国のイージス」でのシーンが良く再現されて
いるそうです。

艦対艦ミサイルを格納する「筒」です。 この筒にミサイルを納めた状態
で船に搭載します。 ですから、これには「中身」が入っています。
これに限らず、ミサイルを格納する入れ物は、アタッチメントを変える事で
色々な種類のミサイルを格納する事が出来るそうです。

呉の基地で落として壊してしまったのがコレです。

後部甲板にはこれまた最新鋭のSH−60Kが搭載されていました。
この機体は厚木の基地から飛んできて、東京湾上で着艦したそう
です。

世の中には、自衛隊マニアとかの俗に言う「おっかけ」さんがいるそう
で、特に海上自衛隊の白い制服は人気が高いとの事。 女性が多い
と言う話しも聞きます。  実際に、この日に乗艦した中の女性の割合
は比較的高く、写真撮影をクルーにせがむ姿をそこここで見かけました。

パイロットスーツやセーラー服の貸し出しも行っていて、コレに着替え
て写真撮影をする事が出来ます。  小さい子供サイズの服も用意
されていました。 かわいいです。


ローター先端の怪しい形状、高速飛行時に効果を発揮する形状です。

後部格納庫内では、ラッパの模擬演奏が行われました。
この艦内では、起床や出航などの合図を生ラッパ演奏で行っている
そうです。
セーラーカラーのシャツをズボンの上に出して、ツバ無しの帽子を
かぶっているのが階級の下のクルーです。

このときみたいに、お客さんが来たりなどにはこのような白い服を
着ますが、通常は映画「亡国のイージス」のように青い作業服に
安全靴です。

接岸が近づくと、先端に重りを付けたロープを投げ、それに繋げた
舫綱で桟橋に船体を固定します。
へっぴり腰でロープを投げているのが息子です。 帰省した際は
投げ方を伝授しておかないといけませんね。

帰りは艦長さんはじめとした総員でお見送りでした。


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