重心位置などの調整です。

重心位置は飛行機が飛ぶにあたって、最も重要なファクターではありますが
ここで言う重心位置調整や取り付け角とはどちらかと言えばパイロットの好み
に寄るところの大きい物です。

まずは、ピッチングや頭からストンと落ちるような状態は基本的な事として解決
させて置き、出来るだけトリムを取らずに軽く押し出した状態で水平飛行が
出来るように調整がされていることが前提です。

ちゃんと水平飛行のできる様に調整の取れた機体の重心位置に「ここ」と言う
固定値はありません。 主翼の取り付け角、水平尾翼の容積との兼ね合いで、
どうにでもなっちゃう物なのです。

調整にはまず、今の機体の重心位置がどういう状態かを調べます。方法は
サーマルヒットやショックコードなどで上空に上がった時に、ダウンを打って
45度位の角度で急降下させます。
速度が付いたところでスティックをニュートラルにしてその後の機体の挙動を
見ます。
すぐに頭上げをするようであれば、前重心(主翼取り付け角大、アップトリム、
尾翼容積小)です。
頭を上げずに突っ込んで来るようであれば後ろ重心(主翼取り付け角小、ダウン
トリム、尾翼容積大)と言うことになります。

これは、水平尾翼の働きが速度の増加で変わるのと、主翼の取り付け角が
変わるから為に、風圧中心が前後に移動ためです。 水平尾翼が大きな
面積を持っていたり、ダウン側に傾き揚力を多く発生させればテールを持ち上げて
機首は下に向き、また、同時に主翼も重心位置より後ろで大きな揚力を発生させる
為に機首を下に向けようとするからです。

ランチでも大まかなところが解ります。
ランチ直後に頭上げをするようであれば、前重心(主翼取り付け角大、アップトリム、
尾翼容積小)です。
逆に矢のように真っ直ぐに行くようであれば後ろ重心(主翼取り付け角小、ダウン
トリム、尾翼容積大)と言うことになります。

飛ばしやすいと言ったら一般的には前重心と言われていますね。
ドレラ博士の記述では、前重心ではサーマルなどの外乱に対して、機体の挙動が
穏やかであり、後ろ重心では外乱に対して敏感に機首上げ、機首下げを行うと
あります。 






ですが、どちらの状態でも平穏時の飛行では変わりがありません。 
主翼のどこの位置に重心位置を持ってきても水平飛行には変化は無いと言うこと
です。
水平飛行をする...という時点で釣り合いが取れているわけですから。

ただし、極端な物はいけません。 極端な前重心は、主翼の取り付け角が大きく
なっているわけで、速度が上がるにつれての揚力の増加が大きくなります。

ランチでの極端な頭上げや、機速が落ちたときの失速特性の悪化。
エレベーターUPで釣り合いを取った場合は機首をあげた状態で飛行することになり、
胴体の抵抗もバカになりません。
逆に極端な後ろ重心も外乱に対して過敏になり、ピッチングに絶えず修正舵を加え
なければならず、また、ランチではエレベーターUPのプリセットを加えなければ
ランチ後に自然に上昇してくれなくなります。 

どこに重心位置持っていくかは、本当に「好み」の問題になります。 
安定した飛行を望むのなら前重心に、サーマルをとことん探すのなら後ろ重心
に...といったところです。

自分の好みと操縦技術のレベルに合わせて、飛ばし良い重心位置を見つけて
下さい。



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