PROGRESSの修理 1 

墜落したPROGRESSを修理します。 

状況ローターに巻かれて軟着陸した際にエレベーターリンケージのアウターチューブ(ポリイミドチューブ)が剥離。
そのままランチしたところ、エレベーターリンケージのロッドエンドがエレベーターホーンから外れてエレベーターが効かない
状態になりました。 そのままお約束の地面まで垂直降下して地面に5センチ以上刺さりました。


ブームは中程で断裂しています。 ただ、完全に取れていたわけでは無く、微妙に繋がっていた状態です。 また、リンケージ
のカーボンロッドやチューブは無事でした。



キャノピー後部のカーボンエリアで胴体の1/3周に近い割れが入っています。



キャノピー中程、グラスエリアで15ミリ程のクラックが入っています。



左翼上面、エルロンサーボより外側で表皮の浮き上がりが出来ています。



同じ位置の下面にも表皮の浮き上がりが出来ています。



浮き上がりの後ろ側にクラックが入っています。



前縁が口を開けています。



外れたポリイミドチューブの接着から始めました。 外径1.5oのノイズレスチューブを瞬間接着剤のノズルに装着、
エレベーターリンケージの穴からチューブを差し込み、 ファイバースコープて確認しながら剥がれたチューブの周囲に
低粘度瞬間接着剤を滴下します。

カーボンロッドとチューブの隙間にでも掛かると、その時点で終了です。 ロッドリンケージは諦めてワイヤー+トーションバー
の方式にした方が手っ取り早い位の工作に発展します。



添え木を当てて、上下左右に曲がりの無い状態にします。 盛り上がった破断面を針などを使って丁寧に均して、極力平ら
になるようにしてから低粘度瞬間接着剤を流します。 破断面の繊維が絡んでくれると、瞬間接着剤だけでも強度が出ます。



他の部分が削れてしまわないようにマスキングをして、接着部がたいらになるようにサンディングします。 パーテーション
の盛り上がりはカーボンを巻く時に障害になるので削り落としておきます。



補強には平米20グラムのバイアスカーボンを使用します。  重ね代を3ミリ取った貼るサイズの型紙を作っておきます。



ロータリーカッターでカーボンを切り出します。 1枚分位は削るので、3プライ分切り出します。



5052でカーボンを貼り込みます。 後の加圧ではみ出ると面倒なことになるので、樹脂の量はカーボンクロスが貼り付く
ギリギリ量で行います。



クリアホルダーを切って作ったマイラーを離型処理をしてカーボンの上に巻き、マスキングテープとクリアテープで
グルグル巻きにして加圧します。



気温がそれほど低くなくても、使い捨てカイロを巻いて加熱して硬化を確実にしましょう。



24時間後に養生を剥がした状態です。 しっかりと硬化しています。
この段階では、マイラーの重ね部分の盛り上がりや、ブームと補強部分に段差が出来ています。



他の部分を削らないようにマスキングテープで養生をして、段差を削り取る事を念頭にサンディングしていきます。



サンディングが終わった状態です。 400番から最後は1500番の耐水ペーパーまで使って仕上げます。



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