Blaster1号機の修理


復活して無事テストフライトを済ませたBlaster1号機


F3K上里カップ2007の第3戦で、他の方の機体と接触、墜落してしまった
Blaster1号機。 サーマルの神様のおかげで主翼は無傷でしたが色々と
壊れてしまいました。

水平尾翼は主翼か胴体が擦れたキズが入って凹んでしまっています。



胴体には亀裂が入っています。 ただ、この亀裂は表面のゲルコートの亀裂で、
内部のケブラー繊維の断裂はありませんでした。



最強の破損箇所はこれ。
ブームが真っ二つに折れてしまっています。 エレベーターのコントロールロッド
のカーボンロッドはアウターパイプごと。

さすがにラダーコントロール用のPEラインは切れずにいましたが、PEラインが
カーボンパイプに食い込んでしまっています。

ロッド取り出しの開口部部分の補強の為に巻いたケブラー糸のおかげで、後ろ側
にPEラインのくい込みはありませんでした。


少し欠損部分もあります。

先ずは折れたパイプをつなぎます。
スケールやアルミアングル材などを使って真っ直ぐ、捩れないように瞬間接着剤
を使って繋げます。 ただ、パイプは折れた時に変形していますので、もう、
キッチリとは合いませんので、最後は目測になってしまいます。

欠損部分にはカーボンロービングを詰め込んで瞬間接着剤で固めます。

変形した部分にはカーボンロービングを瞬間接着剤で貼って肉盛りしてから削り、
表面を平滑にします。 このあたりの手を抜くと、変形したところに力が掛かって
破損し易くなってしまいます。


肉盛り、サンディングを繰り返してこのような状態まで持っていきます。

成型したパイプに補強のカーボンを巻きます。 カーボンクロスを巻くのが一般的
ではありますが、必要な強度が均一方向なのと薄いのを買って、カーボンUD
シートを使います。


エポキシ樹脂(5052)を染みこませたカーボンUDをパイプに貼り付けて、その上
からマイラーシートを巻き付けその上からビニールテープをぐるぐる巻きにして
加圧します。


ビニールテープぐるぐる巻きの図です。


(撮影のため、一度外した物を使いました)
しっかりと硬化させたいので、貼るタイプの使い捨てカイロを巻き付けて加熱
してあげます。 この樹脂をしっかり硬化させる為には、本来50度の温度で
15時間掛かります。

さすがにそこまでは出来ませんが、この上からスポンジで保温した結果、
非接触式温度計で測って42度保つ事が出来ました。


24時間後、ビニールテープとマイラーシートを外すち綺麗に硬化したUDシート
が顔を見せてくれました。

亀裂の入った胴体は瞬間接着剤を染みこませて固めた上で、裏側からケブラー
クロスを樹脂で貼り付けて補強としました。


表面は瞬間接着剤を盛った上で削って仕上げました。

芯材にバルサを使っている強みで、ピンホールから水を含ませてアイロンで加熱
してあげるとある程度は戻ってきます。


リンケージをやり直して完成です。
エレベーターリンケージのアウターパイプを白い樹脂製の物からグラスチューブ
に交換して3gの軽量化。 修理で増えた重量は2gなので、差し引き1gテール
が軽くなっています。

パイプが裂けるのを救ってくれたケブラー糸補強も継続して採用しました。


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