Majo−Voodoo 胴体の製作 3


エレベーターの上面スキンがケブラー補強も効いて堅く、エレベーターの動きが重かったので、ヒン
ジラインを作ってあげる事にしました。

スチール定規をヒンジラインに沿って紙テープで固定、定規に沿って棒ヤスリで表面の樹脂を削り
落としていきます。

ケブラーの繊維が気持ち、毛羽立つ所まで削り込みます。


これだけで、格段に動きが良くなりました。

水平尾翼と垂直尾翼の前縁はいつもなら研ぎ直しをするのですが、今回の機体は良く処理されて
いるのでそのままで行きます。

地面に降ろすことを考えて、垂直尾翼下部、地面に接する部分を補強します。

カーボンキュアシートを垂直尾翼下部の形に合わせてカットし、接着剤が付きやすい様に両面をサン
ディングしておきます。


垂直尾翼にピラニアソーで切れ込みを入れ、先ほど作ったパーツを5分エポキシを付けて割り入れ、
接着します。

接着剤をフィレット状に盛り上げておけば、石の上など硬いところに降りてもスキッドが欠けるのを
有る程度防げます。


垂直尾翼の補強用のロービングが毛羽立ったまま硬化したらしく、尖っていて痛かったので削り落と
しました。 パイプを傷付けないようにマスキングをして行います。


ポリイミドチューブとカーボンロッドの組み合わせはガタが無いリンケージが出来るのですが、真っ
直ぐなリンケージをしないと動きが渋くなってしまうようのです。

ポッドとブームの隙間に樹脂が固まっていて、真っ直ぐなラインが取れなかったので、ピアノ線の先を
尖らせてポッド内部の不要な樹脂を取り除き、リンケージのラインを確保ました。

TS1002付属のサーボホーンには肉厚の物と肉薄の物の2種類が入っています。 PEラインでは
肉薄の物を使いますが、ロッドを使う場合、肉厚の物以外は使う気にならないような代物です。

ただ、肉厚の物は穴の間隔が大きく、必要な所に穴がありません。

きむらクラフトでは中心から7ミリの所に0.8ミリの穴を開け直して使っています。


不要な部分を切り落として成型もします。



例えば、サーボホーンの中心より10ミリの穴を使った場合と、きむらクラフト推奨り7ミリの穴を使っ
た場合のシミュレーションを図説しました。

図1では、スティックを一杯に動かした場合、7ミリホーンでは上下にそれぞれ500μs幅があります
が、10ミリホーンでは約300μsの幅になります。 その差、200μs程度が分解能力の差となり、
7ミリホーンの方がより細かい制御が出来るのです。

また、TS1002はサーボケースが弱く、ホーンにガタが出ますが、同じ角度シャフトがブレても、7ミリ
ホーンの方が動翼のブレが少ないのです。

ですので、きむらクラフトではホーンの短いホーンで済むように動翼ホーンの長さやサーボの配置を
するようにしています。


ポリイミドチューブにカーボンロッドを通す際に、長万部航空機の「すべすべ君」をロッドに指で塗して
おきました。 F3J機を始め何機かに使っていますが、滑りは格段に良くなります。


サーボホーンとロッド、各舵のホーンを接続し、ニュートラル出しが終了した状態でブームにポリイミド
チューブを接着します。

根拠は無いのですが、ポリイミドチューブとテールパイプを硬化促進剤を布に染みこませた物で拭い
て置くと、接着が楽になるように思います。

瞬間接着剤のノズルに細い延長ノズルを着けて、ポッドに近いところに先ず1滴、それからリンケー
ジのラインがホーンまで真っ直ぐになるように軽く手でテンションを掛けながら10センチ刻みに1滴
ずつ瞬間接着剤を垂らして接着していきます。

ポリイミドチューブは全面パイプに接着してありません。 一滴の瞬間接着剤で接着できる範囲でし
か接着していないので、5cm程度接着されていない場所が各所にあります。

これがギター弦や0.4ミリピアノ線なら遊んでしまうのでしょうけど、ポリイミドチューブの内径に近い
サイズのカーボンロッドを使っている為、これでも遊びはほぼありません。

逆に、ピッタリ全面接着してしまうと、ブームがしなった時にリンケージか渋くなる恐れがあると感じた
為の処置です。


手でエレベーターやラダーに負荷を与えてリンケージに撓みが出ない事を確認します。 ポッド内に
もリンケージが一直線になるようにバルサで馬を作ってチューブを固定します。

カーボンロッドなので、この程度の馬で充分でした。


エレベーター側のリンケージです。
L字に曲げた先端をホーンに刺しているだけですが、ロッドエンドは抜ける方向には動きませんので
抜け止めの細工はしていません。

エレベーターホーンはちょっと大きすぎると思います。  短いサーボホーンを使うきむらクラフトでは
エレベーターの舵角を確保するのに四苦八苦しました。

あと2〜3ミリ短くて良いと思います。


判りにくいかと思いますが、高さ1ミリ程のスロープがテールブームとポリイミドチューブの間ににあり
ます。


ラダー側のリンケージです。
こちらもL字に曲げたロッドエンドをホーンに刺してあるだけです。 隙間にスロープを接着してあり、
動きが制限されているので抜けることはまず無いでしょう。


スロープは以前、樹脂が余った時に作っておいた、1ミリバルサの両面にカーボンクロスを貼った物
を使いました。 取っておくと何かの役にたつものです。

ポッドとサーボブロックの間に木工用ボンドを盛ってサーボブロックの揺れ止めとしています。

この工程に使ったクリアタイプの木工用ボンドは硬化後もビニールのような柔軟性があり、ラジオペ
ンチ等でつまんで引っ張ると取り外す事が出来ます。

木工用ボンドなので、樹脂には強力に接着しないので使える小技です。 F3J機の翼内サーボの
仮固定にも使っています。


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