古い自転車の整備 3
きむらクラフト所有のMTB、1990年製造のBianchiのOSPREYです。 Bianchiのイメージカラーであるチェレステグリーンが綺麗です。 ただ、何しろ20年を超えた自転車で、ギヤなどのコンポーネントは今は無き SUNTOURです。 20年の間に規格なども色々変わって整備も やりにくくなってきました。 |
元々はこんな自転車でした。 サドル、ステム(ハンドルバーを固定している部分)、シートポスト(サドルを支える部分) ペダル、フロントホーク、ブレーキなどを交換していて、原形を留めていません。 |
一生懸命整備した自転車ですが、8月のある日、路地から飛び出した自転車に当てられ、一回転の大転倒をして しまいました。 ディレーラーが取り付けられているエンド部分が曲がり、シートも破けてしまいました。 とりあえず修理は終わりまし たが、色々と心残りがあります。 黒い跡は相手の自転車の前輪が当たった所です。 シートは新品に交換しました。 現行モデルなので難なく入手できました。 問題はこれです。 エンド曲がりの原因がこの削れた部分がアスファルトにヒットしたためです。 このディレーラー、 たまにオークションに出ますが、なにせメーカーは潰れ、20年前に製造が終了した製品です。 ほぼ手に入らない でしょう。 |
今まで使っていたサンツアーと現行のシマノとでは微妙に合わない部分があるのですが、比較的新しいシマノの Drore RD-M531を無理矢理合わせてみようと思います。 リアディレーラーには「キャパシティ」というどれだけ幅広いギヤの可動範囲をカバーできるかと言う物がありますが、 20年前の製品とはこのあたりの性能が違います。 先ずは古いディレーラーの取り外し。 下側のテンションプーリーを外すと、チェーンを切らずにディレーラーの交換 が出来ます。 もっとも、この自転車のチェーンにはミッシングリンクと言う、チェーンを簡単に切るパーツが使われていますので 切った方が作業が楽でした。 ディレーラーを外したら、シフトワイヤーを外します。 サンツアーのシフトワイヤーはこの位置にあります。 |
対して新しいディレーラーのシフトワイヤーはネジ穴の下、黒い溝の位置です。 サンツアーに合わせて、シフト ワイヤーの収まる溝を加工してあげます。 フレームに組み付けて、ロー側、ハイ側の調整をしたら全く問題無く使える様になりました。 新しいだけあって動き はスムーズでシフトはカンカンと気持ちよく入ります。 何とかなっちゃうもんですね。 |
とうとう、ハブが逝ってしまいました。 まず、ハブのワン側のボールレースの摩耗が思った以上に大きく、かなりハブ ナットをきつく締め付けないとガタが取れなくなりました。 そこまで締めるとハブのシャフトを手で回すのが辛いほど です。 それから、フリーボディーのベアリングもダメなようです。 漕いでいると感じないのですが、ペダルを止めるとペダル や車体に「コキン、コキン」とした振動が伝わってきます。 ここで一つお勉強タイム。 上がオールドサンツアー(X1)のハブ分解図、下が今回取り付けたシマノのハブの分解図です。 大きな違いが 二つあります。 一点は右玉押しの形状とボールベアリング球のサイズ。 シマノが1/4サイズのベアリング球と左側と同じ形状の 玉押しを使うのに対して、サンツアーは外側から包み込むタイプの玉押しを使います。 右ボール球は3/16で 数も12球となっています。 受け側のフリーボディーのボールレースの形状が全く逆です。 もう一点はフリーボディーをハブに固定するKのパーツ、ボディーフィッティングボルトがサンツアーにはありません。 玉押しを緩めるだけでフリーボディーが外れます。 更に、両者のフリーボディーに切られたスプラインのサイズ、ハブとのかみ合わせに互換性はありません。 こうなったらもうサンツアーのハブは諦めて、シマノのハブに交換です。 シマノで良いのなら、完組ホイールが買え ます。 しかもとても安い。 7速用のハブ+リムで約5000円、スプロケットが1000円です。 リムは今まで使っていたリムと同じモデルが新品 で付いています。 自転車購入当初は中堅だったリムは現在では廉価版リムとなっています。 ただし、バルブ穴は英穴しかありませんので、仏バルブチューブに合わせた加工が必要です。 カーボン板の切れ端 でチューブ押さえを自作しました。 これが無いと、バルブ回りのゴムがバルブ穴からはみ出してしまいます。 押さえ板のおかげで、リム穴を変換する英仏変換アダプターも綺麗に収まりました。 チェーンみディレーラーもシマノになってしまっていますので、スプロケットも良く馴染みます。 試走でもばっちり、良い感じです。 |