HLG用 自作ロッドエンドの製作


HLGのリンケージ、そのサーボ側、きむらクラフトではリンケージロッドとZエンドを重ねてアルミパイプで束ねる
ラップ方式を採用してきました。 ラップ工法は簡単に施工できる反面、ロッド2本分のスペースが必要だったり
軸の中心線がずれる為にロッドがたわむ等の事が懸念されていました。

今回、新作HLGを組むにあたって、新しいタイプのロッドエンドを作ってみました。
 



きむらクラフトで使用しているロッドエンド色々です。

一番上はラダーやエレベーターリンケージで使用しているロッドエンドで、Blasteriに付属しているロッドエンド
をまねして作ってみたものです。


L字部分はステンレスピアノ線、パイプ部分は外径1.2ミリ、内径0.8ミリの銅パイプで、ハンダ付けで組み
立てられています。 パイプとピアノ線のオーバーラップ部分があるため、アジャスト部分を作る余裕があり
ません。 アジャストの必要が無いエレベーターやラダー向きです。


一番下はラップ工法です。




こちらが今回製作したロッドエンドです。 7ミリほど重ね代がありますので、ロッドの長さを調節することが
できます。


 
製作方法



10ミリにカットした銅パイプに0.8ミリの穴を開けます。 バリが出ますが、糊代として使いますのでそのまま
にしておきます。

ピンになる0.8ミリのステンレスピアノ線を5ミリにカットして、両端を整形します。



仮組をしています。 バリもありますので押し込むような形になります。


マイクロバイスと放熱クリップを組み合わせてロッドエンドを固定します。


針先にステンレス用のフラックスを一滴付けて、銅パイプとピンの接合部に垂らします。 他の部分には
出来るだけ付かないようにします。 

フラックスの付いたところにハンダが回ってしまうからです。

充分に加熱して、先端をクリーニングしたハンダゴテのコテ先にステンレス用ハンダを少量(画像の糸ハンダ
で3ミリほど)溶かして、接合部分にコテ先を当てると「すっ」とハンダが回ります。



ハンダ付けが終わったロッドエンドです。 パイプ内にハンダが回ってしまっている事もありますので、0.8
ミリのドリルでさらっておきます。


使用するサーボホーンの穴に合わせて、0.8ミリピンと1ミリピンの2タイプを製作しました。

使用例です。 

カーボンロッドを差し込みニュートラルを出し、ニッパーで軽く銅パイプをつぶしてカシメます。 その後に瞬間
接着剤を一滴流して固定します。

 
抜け止めにはビニールコードの被覆を2ミリほど剥いてピンに被せ、瞬間接着剤で固定しています。

新製法


更に細くコンパクトなロッドエンドが出来上がりました。 左が従来製法の物、右が新製法の物です。

新製法の物は、パイプに外径1.2ミリ、内径0.8ミリのSUSパイプを使っています。 このパイプ、今まで
きむらクラフトで作ったF3J機にリンケージ用として付属している物ですが、きむらクラフトではカーボンロッド
に交換しているためにShadow、Xplorer合わせて4機分のパイプ7本*1.5mが在庫しています。


 
この様な所に使用すると、開口部も小さく出来、すっきりとした仕上がりになります。



パイプの外径が細い上、材質がSUSと硬いために今までのようにドリルで穴開けの難易度が高くなっています。

そこで考えたのが、リューターの丸砥石で切れ込みを入れて巻き込む工法です。



切れ込みを入れたSUSパイプです。



0.8ミリのSUSピアノ線を挟み込む様に巻き込みます。



実際に巻き込んでみた図です。 ラジオペンチで絞るように掴むだけです。

後はステンレス用ハンダとフラックスでハンダ付けすれば出来上がりです。


 
 


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