HiTEC デジタルサーボを使い倒す



きむらクラフトで良く使われる、HiTECのデジタルサーボ、HS−5035HD、HS−5045HDの活用方法について
考察してみます。

このサーボは小型軽量で、動きもシャキシャキと気持ち良く動き、HPP−21等をはじめとするオプションを使う事で
サーボの動きをかなりの範囲、任意にプログラムすることが出来ます。

その反面に言われる事には、「サーボホーンのガタが大きめ」 「トルクが低い」等があります。 ですが、この二点
を何とか出来れば、かなり使い勝手の良いサーボとなります。




きむらクラフトのハンドランチグライダーのリンケージ、特に、ラダーとエレベーターのリンケージでは、サーボホーン
を短くして使う事が多くあります。

海外や他の方の製作例、特に極細のピアノ線やギター弦を使ったリンケージでは、サーボホーンを長く使うのが
一般的ですね。 ではなぜ、きむらクラフトでは流れと逆のやり方をするのでしょう。

単に、ひねくれているだけ...と言うのもありますが。



理由の一番目には、サーボが持っているギヤのバックラッシュやケースとファイナルギヤのスプラインとのガタを
舵に伝えにくくするためです。

上の図のように、同じ5°のガタがあったとして、サーボホーンの長さで、リンケージに伝えるガタの影響度が
違ってきます。



2番目の理由として、トルクUPが期待されます。
サーボのスペックでは、トルクは0.8kg.cmとされていて、簡単に言えば、「10ミリの穴のサーボホーンを使えば、
800グラムの物が持ち上げられます」と言う事です。

テコの原理を使って、この10ミリを短くしてあげれば、更に重い物を持ち上げられることになりますね。



サーボホーンを短くし、動作角が増えることで、リンケージの円の外周方向の移動量が増えることが懸念されます
が、エレベーターやラダーで使う限り差はごく僅かです。

きむらクラフトとしては無視出来る範囲と捉えています。


 


サーボホーンを短くして、ガタとトルクの対策が出来たところで、ストロークの問題が出てきます。
ラダー、エレベーターでは問題有りませんが、エルロンに使用した場合、ブレーキ動作にストローク不足でエルロン
が下がりきらない事になってしまいます。



そこで、HPP−21を使用して、サーボの舵角の拡大をしてあげます。

このHPP−21は同社のサーボプログラマーの中では一番シンプルな物で、PCを併用してサーボの設定を
行う物です。 コレの他には、PCを使用せず単体でサーボのプログラムを変更出来るHFP−20、HFP−25等も
あります。

最大で左右90°以上、合わせて180°以上までサーボの舵角を拡大することが出来、エルロンのストローク問題
も一発で解決です。

舵角の拡大の他に、
回転方向の変更...Yハーネスで2サーボエルロンやフラップをするときに便利。
ニュートラル位置の変更....送信機のサブトリムを0に出来る
解像度の変更

等がプログラム出来ます。



この機能を使ってリンケージしたValidolのエルロン。 同時期に製作をした他の方は1サイズ上のHS−5045HD
を使うのに対し、HS−5035HDで十二分のパフォーマンスを引き出しています。

また、サーボホーンが短いので、主翼下面をフラットにすることが出来ました。


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